すみれです。
3月4月は1年で最も転職が盛り上がる時期なので、総務部内は慌ただしい毎日を送っています。
この業界に未経験で入って既に10年経ってずっと心の中にしまい込んでいたものがあります。
介護の人ってマジで転職理由が弱いねぇって残念に思うんです。
転職理由は人間関係か待遇の不満の2つしかない
私達採用職は良くよく分かっているんです。
介護職だけでなく全ての業界において転職理由はたったの2つ。
- 人間関係
- 待遇への不満
これ以外にも、キャリアアップしたかった、夢を現実にしたかった系の超絶ポジティブな転職理由も混じっていますが、本音レベルで言えば1%にも満たない。
ただし、転職理由を「人間関係」と答えるのはご法度ですよ。
ええ、極まれに調子に乗せてしゃべらせると「A主任が嫌いだった」とか「あいつのエコひいきは犯罪のもだ」とホイホイ話を始めるもんだから、採用職は面白くて辞められない。
面接では様々なドラマが繰り広げられますが、人間の本性を垣間見ることができるんですよね。
時には、言いたいことだけ言って満足して帰っていく転職希望者も少なくありません。
「あの人、よっぽど話を聞いて欲しかったんだろうね」とバックヤードでは盛り上がってしまいます。
履歴書もさることながら、転職理由も盛大に盛られていることは採用経験のある私達は分かっていますが、それを踏まえた上でどう答えて来るのか答えるないようよりも伝え方とかしぐさが気になるんですよ。
面接で多い転職理由はダントツ1位で人間関係の不満
先述したように、転職面接では必ずと言っていいほど転職理由を聞かれますが、最近はキャリアコンサルタントが代わりにしゃべってくる場合もあるんですよね。
ついついのポロっと「人間関係が」を口に出すと確実にお見送りです、仲介する彼らも気が気じゃないんでしょうね。
公益財団法人介護労働安定センターが毎年行っている介護労働実態調査から見て取れるのは、やはり職場の人間関係が原因で転職した人が全体の20%と多く、次で結婚出産妊娠育児のためが18.3%。
いかに介護で働いている女性の割合が多いか分かりますよね?
ついで、法人や施設の理念や運営のあり方に不満があったためが17.8%の第3位。
他によい職場があった為が16.3%で第4位。自分の将来の見込みが立たなかったための15.6%と続きます。
出典:公益財団法人介護労働安定センター平成29年度介護労働実態調査結果についてよりP56
第1位:人間関係が原因
これはもうこの業界の宿命的なものですが、女性の割合が多いと人間関係がギスギスした職場は多いですね。
私の勤め先も、全体的にどんよりした空気が立ち込めていますが、ご入居様の前ではポーカーフェイスを気取っています。
介護施設でのお仕事は個人プレーより、どちらかといえばチームプレーが必要ですよね?
お互い小さな思いやりを持って仕事すればいいんですが、人間同士どうしても不満が溜まります。
第2位:結婚・出産・妊娠・育児のため
女性が多いこともあり、結婚・出産・妊娠・育児休職は日常茶飯事。
生まれたと思ったらすぐ復帰する人や、暫くの間は出産手当金でゆっくりする人等様々です。
介護のお仕事のイイところは、結婚・出産・妊娠・育児で休職してもすぐ復帰できること。
元の職場がダメでも引く手あまたです。
他の業種と違い、働く女性のため様々な工夫をしている介護業界ならではの理由ではないでしょうか?
第3位:施設の理念や運営のあり方に疑問
私達中高年はどちらかと言えば諦めモードですが、若い介護士達からADLを妨げる運営方針は辞めた方がいいと不満の声が頻繁に上がってきますね。
若いっていいですよね?
そんな理想の高い彼らは独立して、近隣に事業所を展開しているようです。
第4位:他に良い職場があったため
介護の転職で案外多いのが、コネ入社です。
知り合いの職場の方が給料が良かったとか、引き抜きされたとか人の移動も多い。
常勤換算表を管理している私の身にもなって欲しいよ。
三くだり半突き付けて辞めて行った彼ら彼女達も、「思っていた職場環境ではなかった」と出戻りしてくることも少なくありません。
行ったり来たり面白い業界ですよね?
第5位:自分の将来の見込みが立たなかった
私の職場では、役職が埋まっていて5年ほど誰も昇進できない時期がありました。
そんな職場での将来性に絶望した職員は、我先に続けと大手に引き抜かれていきましたね。
心のスキマは転職でしか埋められないのでしょうかねぇ。
転職理由を伝えるポイントは叶えたいこと重視でいい
他の業界でも同じですが、叶えたいこと重視で転職理由を伝えると上手くいく傾向にあります。
いわゆるキャリアアップしたかった、夢を現実にしたかったポジティブ系の転職理由です。
もちろん、「前職で叶えたかったのにバカな上司に阻まれた」と人間関係を持ち出すと、「前職でダメだったのなら弊社でも無理ですよね」と返され面接は終了します。
そうではなく、最終的な目標を達成するために様々なスキルを習得したかったと答えるのが無難。
もちろん、本音は人間関係であってもそう答える訓練をすべきですよ。
- ケアマネを取る前に、特養と有老の違いを経験しておきたかった
- 施設での勤務経験しかないので、訪問看護に興味を持った
面接に通過したいのであれば、何を聞かれてもポジティブ系の答えになるよう訓練すべきです。
介護のお仕事に就いている人は、実に転職理由や志望動機を伝える力が弱いんですよね。
転職攻略本を丸写し、丸読みみたいな人が多い中「これは?!」と思わせる転職理由を語ることが出来れば割と心に残ります。
後述するストーリーティリングを使えば割と心に残る転職ストーリーを描けるのでチャレンジしてみてください。
転職理由を伝える際の注意点は受け身で答えない
私達、採用官が転職理由を聞くのかはお分かりでしょうか?
別にあなたを困らせたい一心で質問しているのではなく、
- この転職者はすぐに辞めてしまわないだろうか?
- 人間関係に弱い転職者なのだろうか?
- 不平不満メインで話す人じゃないよね?
って項目に沿ってチェックしているんですよね。
とにかく後ろ向きな人
終始、人間関係の話題に固執する人、前職場での不満をぶちまける人、果ては介護のお仕事では給料が低くて家族を養っていけないと、我々を泣き落としにかかる40代など様々です。
どちらにしろ私達がいる職場は、若い(といっても30代40代ですが)パワーでご入居者様に笑顔を届けたいお仕事なんですよね。
そういう職場に、根暗な人が必要ですか?
嘘でもイイから「前職の○○の経験を活かして御社活躍したい」とひとこと言って欲しいんですよ。
意欲を見せてよって思うのが、私達採用担当者の親心です。
終始受け身で受け答えする人
これも介護のお仕事をやっている人に多い傾向なのですが、終始受け身で受け答えする人。
「主任に言われたから仕方なく」「私は〇○って主張したのに職場が認めてくれなかった」と他責的な答え方をする方は、人間関係を口にする人と同じく要注意です。
20代30代であればまだしも、40代50代の中年がこの言葉を平気で吐くんですよね。
そんなに不満があるなら自分で施設を立ち上げればイイのにってのが私の本音ですね。
声のトーン、しぐさ、足の動き
本人は気付いていないかもしれませんが、転職理由を話す際の声のトーンやしぐさ、足の組み換えは要注意です。
特にウソをつく瞬間に何らかのクセが出る方は、今すぐ矯正したほうがいい。私たちは心理分析官ではありませんが、
- 話す時に絶対目を我々に合わせない
- ぼそぼそ話すから何を言っているのか分からない
- 語尾に不要な接尾語が毎回付いている
等話し方ひとつ取っても、色んな角度から見て分析していますよ。
もちろん話下手な人はいますし、私自身上手い方じゃありません。
それでも一生懸命話そうとしている転職者と、そうでない人の違いは一目瞭然です。
話す理由と連動して足が動いちゃう人も、多いから、特に女性は大変ですよ。
介護面接で落とされる転職理由は人間関係と待遇への不満
最後に要点を纏めておきますので参考にしてください。
- ホンネの転職理由は、人間関係と待遇への不満の2つだけ
- 建前の転職理由は
・理念に不満
・自分の将来が不安
・他に良い職場が見つかったの3つ - 介護の転職理由は叶えたいこと重視でOK
- 受け身な伝え方をする癖は、他責に聞こえるので注意
人間関係がイヤになって系の答えはNGってことだよね?